映画『殺人の追憶』 ポン・ジュノ ソン・ガンホ

第92回アカデミー賞で、作品賞・監督賞・脚本賞・国際長編映画賞の4部門を受賞した『パラサイト 半地下の家族』の監督ポン・ジュノによる『殺人の追憶』(2003年)を観た。
当時からとても評判の良かったこの映画だが、アメリカ映画偏重傾向のある僕は、その後も評判の良い作品を作り続ける彼の映画とはずっと縁がなかった。
しかし『パラサイト 半地下の家族』が日本公開前から大変評価が高く、日本でも先行上映が始まるやいなや、ネット上で絶賛の嵐だったので、通常の上映が始まるとすぐに観に行った。
いや~、面白かった。
正直観終わった後の後味はあまり良いものではなかったのだが、それは作品の性格上必然だと思う。
よく出来た素晴らしい映画。
その後アカデミー賞で作品賞や監督賞など4部門も受賞したのには驚いたが、同じアジア人として喜びは大きかった。
当日WOWOWでの生中継を観ていたが、プレゼンターのジェーン・フォンダが作品賞受賞作として”パラサイト”と発した時は思わず歓喜してしまった。



会場の盛り上がりも大きく、これが今を表す作品なんだなということがヒシヒシと伝わってきた。

それにしてもアカデミー賞、生放送だから仕方ないとはいえタイム・スケジュールありきの進行は何とかならないのか。
生放送番組はテレビよりネット放送の方が適してるんではないかと思った。


さて、ここから『殺人の追憶』について。

ポン・ジュノにとってはこれが長編2作目。
映画は韓国で大ヒットし、日本でも高い評判を得た。
この作品は、韓国で実際に起こった連続殺人事件をモチーフに作られている。

舞台は民主化宣言が行われる前年1986年の韓国。
冒頭辺り、音楽も含め北野武作っぽい感じを受ける。
それって僕だけかな?
ちなみに音楽を担当しているのは、岩代太郎。

前半二人の刑事の道化ぶりがなかなか笑える
はずなのだが、
少し前に報道された発達障害を持つ女性看護助手の冤罪事件のことを思い出しあまり笑えなかった。
<滋賀・呼吸器事件 元看護助手、再審無罪 自白「信用性に疑義」(東京新聞)>
<刑事に恋して嘘の証言(週刊女性PRIME)>
自白強要する警察のやり方が酷過ぎるのだ。

物語は束縛された女性の遺体が用水路で見つかったところから始まる。
その後有力な容疑者も見つからないまま、新たな女性遺体が発見された。
パク刑事(ソン・ガンホ)は恋人からの情報をもとに、知的障害を持つ焼肉屋の息子グァンホを疑い取り調べを始める。
パクはチョ刑事とともに証拠を捏造し暴力で自白を強要していく。
しかし、ソウル市警の若手刑事ソがグァンホの手には麻痺があり犯行は出来ないと指摘。



捜査は進展を見せぬまま、さらに犯行は続くが、刑事たちはついに有力な容疑者を見つける。
その辺りから、パク(ソン・ガンホ)の顔つきが一気に変わる。
ここから映画はシフト・チェンジしたかのように、一気にギアが上がっていく。

サスペンス作品というのが一番分かりやすいこの映画の説明だと思うが、深い人間ドラマでもある。


また、この映画の核のひとつだと僕が思っているのが、下記の二つのシーン。

①「俺は人を見る目だけはあるんだ」
と上司に言うパク。

IMG_0509.jpg

上司は隣あって座ってる二人の男を指さし

「一人は強姦犯で
もう一人は被害者のお兄さん
どっちが強姦犯か
当ててごらん」

と言う。
パクは二人の男を見つめる。
そして答えられないまま、画面が変わる。

②犯人の顔を見たという子どもにパクが、どんな顔だった? と尋ねる。
子どもは

「よくある顔
 普通の顔」

と答える。

これらの2つのシーンは対である。


『殺人の追憶』(字幕版)Prime Video

とても良い映画だと思います。
そして良し悪しとは別に、『パラサイト 半地下の家族』と同じように、あまり後味の良い映画ではない。
サスペンス好きな方、そしてもちろん『パラサイト 半地下の家族』が気に入った方には是非ともオススメの映画であります。



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