『バーニング 劇場版』 監督:イ・チャンドン 原作:村上春樹

映画『バーニング 劇場版』を観た。
原作は村上春樹の短編小説『納屋を焼く』。
監督はイ・チャンドン(『オアシス』『『ポエトリー アグネスの詩』等)。
タイトルに劇場版とあるのは、この作品にはテレビ版があるため。
テレビ版は148分ある劇場版を95分に編集したもので、日本で劇場版が公開される前にNHKで放送された。

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僕は大学生の頃から村上春樹の大ファンで、読み始めてからもう35年以上が経過。
その頃はまだ『ノルウェイの森』が刊行される前だったので、今のようなベストセラー作家というカテゴリーではなかった。
なので、しばらくして『ノルウェイの森』が大ブームになった時はかなりビックリした。
確かにそれまでの村上春樹作品と比べたら随分読みやすいけど、暗い話やでだいぶん。
大ヒットに関しては、緑と赤(上下巻)という装丁が良かったのではと思っている。
また最初の頃は帯がゴールドだった。
まるでクリスマス・プレゼント。
発売されたのもそういう時期だったような記憶がある。
もちろんそれだけが理由ではないけど、そのことは商売的に有効に働いたとは思う。

この映画の原作は、短編集『螢・納屋を焼く・その他の短編』の中に収められている『納屋を焼く』。
また、この短編集に収められている『蛍』を下敷きに書かれたものが、『ノルウェイの森』である。


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僕は村上春樹作品ということでいえば、短編より長編の方が圧倒的に好きである。
その理由は、長編の方が物語性が強くなるから。
短編だと物語性が希薄になり、メタファーの嵐のように感じる。
大袈裟に言えばだけど。
なので特に好きな作品は物語性のより高い、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』や『羊をめぐる冒険』となる。


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というわけで原作が『納屋を焼く』だと聞いても、その内容をほとんど思い出せなかった。
なにしろ読んだのは30年以上前だし。
でも空気感だけは覚えていた。
そして映画を観ながら、その空気感を共有した作品だなと思った。
思いながら映画を観た。

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僕はアメリカ映画が好きなこともあって、あまり韓国の映画は観ない。
『パラサイト 半地下の家族』がとても面白かったので、ソン・ガンホ主演の『殺人の追憶』と『タクシー運転手 約束は海を越えて』を立て続けに観たりはしたが。
この2作はどちらも凄く面白かった。
あとは、何年か前に観た『チェイサー』(これもかなり面白い映画でした)ぐらい。
その程度の経験値。
だがこの映画とても評判が良いし、村上春樹原作。
しかもNETFLIXで観れるときた。
もはや観ない理由はない。

内容は原作を基に独自の物語・解釈を加えている。



小説家を目指す主人公のジョンスは偶然街で幼馴染のヘミと再会する。
二人はベッドを共にするが、その後彼女はネコの世話をジョンスに頼み、アフリカへと旅行に出る。
やがてヘミは帰国。
アフリカで知り合ったというベンと一緒だった。
ポルシェに乗り広いマンションに住む裕福なベン。
仕事をしている様子もない。
それはまるで”ギャッツビー”のよう。
そんな彼がジョンスに言う、
「僕は時々ビニールハウスを燃やしてます」

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ベン役は『ウォーキング・デッド』でグレン・リーを演じるスティーヴン・ユァン。
彼はこのベン役で、ロサンゼルス映画批評家協会賞助演男優賞を受賞している。


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2時間以上の作品であるが、引き付けられるように最後まで集中して観た。
かなりの素晴らしい作品である。
村上春樹ファンの方は是非。
そうでない方も、是非是非。

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この映画を観た後、久し振りに『納屋を焼く』を読んでみた。
多分30年以上ぶり。
買って一度読んでから、読み返してはいないはずだから。
当時読んだとき、どのように感じたかは全く覚えていないけど、今回の方がより楽しめたし、より深く感じれたような気がする。
ただ、メタファーを分かりやすく具現化した映画の解釈に引っ張られた感は間違いなくあるな。
それって、どうなんだろうか?
とも思うので、また数年後に読んでみたい。
その時はどう感じるだろうか?
でもその時はまた、今回読んで感じたものを忘れてるような気がする。
忘れっぽいのである、それも特に最近は。
だが、何度でも同じ作品(映画でも本でも)を楽しめるという利点があるから、これはこれで良いのかもしれない。
いや、良いということにしておこう。
でないと、悲しい。




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