『羅生門』黒澤明

1950年に公開された黒澤明監督による映画『羅生門』を久々にNetflixで観た。
世界的にも大変評価の高い映画で、第12回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した作品。
アカデミー賞でも名誉賞(現在の最優秀外国語映画賞)を受賞している。

初めて観たのは30年ぐらい前だったと思う。
評判の高さはもちろん知っていたが、当時はそれほど面白さを感じず感銘を受けることもなかった。
若い僕にはまだ難しかったのか。
だが今回観て、やっと面白さが理解できた。
間違いなくとても優れた作品だ。
多分他にもこのように、以前観た時はあまりピンと来なかったが、今観たらまた違った受け止め方の出来る作品がいっぱいあるんだろうな。



人間の身勝手なエゴが生み出す嘘の滑稽さを描いた作品。
見栄っ張りのロクデナシが、戯言で自らを取り繕うという誰にでもあろう心の弱さのオンパレード。
特に、盗賊の多襄丸と死んだ武士・金沢武弘は最低だ。

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同じ黒澤作品の『七人の侍』や『隠し砦の三悪人』のようなポップな作品ではないが、物語性は充分。
古さは感じるかもしれないが退屈な話ではない。
また古さといっても、当時もっとも斬新だった映画のひとつが黒澤作品だったことは現在のクリエイターをはじめ多くの人が語っている通り。
黒澤明はこれまで、いくつもの斬新な手法を編み出している。
リアルタイムではない僕などはオリジナルの黒澤作品ではなく、その手法を取り入れた後世の作品で先に観ているので衝撃という部分を感じることがないのは事実だけど、それは仕方のないこと。


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原作は芥川龍之介である。
初めてこの映画を観る以前に、僕は芥川龍之介の「羅生門」は読んでいた。
なので、観た後にあれ?、こんな話やったっけ羅生門って??
と思ってしまった。
後で調べたら、物語のベースになっているのは同じ芥川龍之介の短編小説「藪の中」で、そこに「羅生門」のエッセンスを含めて作られたのが映画『羅生門』だということであった。


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全てを観たわけではないが、黒澤明の作品にはこのように、人間の内面を掘り下げ赤裸々に描こうとするメッセージ性の強いものが多い。
なので、実は面倒くさい。
しかしダイナミックな描き方により、面白く観進めてしまえるところが黒澤映画の凄いところ。
まだ観てない作品も観なければ!

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